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タンポポの写真撮影 蒲公英の撮り方
たんぽぽの写真撮影
零製作所が、撮影したダンデライオン フラワーフォトグラフィーのご紹介です
「タンポポの花の写真撮影」では、デジタル一眼レフカメラにマクロレンズやパンケーキレンズなどの単焦点レンズを付けて、
マクロ撮影をしてタンポポを大きく撮ったり、パンケーキレンズの焦点距離を活かした広角域寄りの画角の広いタンポポの撮影などを行っております。
タンポポの花は春を代表する花のひとつです。
春になると、道端でたくさんのセイヨウタンポポが咲いている光景を見つけることが出来ます。
そして郊外に出ると、希少なニホンタンポポの咲く姿も見ることが出来ます。
さて、タンポポは園芸で栽培されるような花の種類ではありませんが、野に咲く草花の中でも特に人気がありますね。
また、タンポポは結実すると綿毛で種を飛ばす変わった習性があります。
綿毛に息を吹きかけてふわーっと飛ばして遊んだ経験は、皆さん体験されているかと思います。
タンポポの写真撮影は、園芸品種の草花とは違って野性味あふれる野に咲く花の撮影になり、
自然を体感しながらの撮影になります。
この項ではタンポポの花の撮影時のカメラ設定や、撮り方のちょっとしたポイントの解説を掲載しておりますので、
タンポポの花の写真撮影のご参考にして頂ければ幸いです。
セイヨウタンポポの写真撮影
セイヨウタンポポの花をマクロ撮影
西洋蒲公英のフォトグラフィ
道端に咲いている鮮やかな黄色い花弁と、ギザギザとした葉の形が印象的なセイヨウタンポポのフォトグラフです。
撮影には、デジタル一眼レフカメラにマクロレンズを使用して撮影しました。
カメラボディ:EOS Kiss Digital N マクロレンズ:EF-S60mm F2.8マクロ USM
道端や空き地で咲いているタンポポはほぼ、外来種のセイヨウタンポポです。 まあ、外来種でもタンポポは綺麗なのですけどね(笑)
外来種であるセイヨウタンポポは、在来種のニホンタンポポに比べ、繁殖力が強く、今では春になると日本各地で比較的容易に発見することができます。
しかし、在来種であるニホンタンポポは、郊外まで足を運ばなければ、発見することはなかなか困難になってしまいました。
関東近郊あたりでは、ぽつりぽつりとニホンタンポポも咲いていることが知られております。
やがてはニホンタンポポは、セイヨウタンポポの繁殖力に淘汰されてしまうと考えると少し寂しくなりますね。
さて、タンポポの撮影時に注意すべき点は、明るい太陽のもとで撮影しますので、色飽和を起こして黄色が潰れてしまわないようにする点が大きいですね。
測光モードはスポット測光にして、黄色い花弁に露出を合わせるようにすると、色飽和を抑えやすくなります。
タンポポに限らず発色の強い花の撮影では、白飛びや色飽和を気にしつつ撮影することが肝心です。
測光モードをスポット測光に設定することにより、一番明るい花弁部分を元に露出が決められますので、
少し暗めの背景と、丁度良い明るさの花とを上手い具合に撮影することが出来ます。
尚、スポット測光は、花弁の測光ポイントによって、明暗のブレ幅が結構大きくなりますので、神経質に測光をしてみることをお勧めします。
ニホンタンポポの写真撮影
ニホンタンポポの花をマクロ撮影
日本蒲公英のフォトグラフィ
ニホンタンポポは、古来より日本で咲く在来種のタンポポになります。
最近ではセイヨウタンポポの生息域が拡大しつつあり、ニホンタンポポはすっかり数が減ってしまいました。
写真のニホンタンポポは、関東郊外にて咲いていたニホンタンポポの株を見つけて、自宅の庭に移植したニホンタンポポになります。
関東地方でも、田舎の方ではまだまだニホンタンポポを見つけることが出来ますが、
都会ではほぼ、見かけるタンポポはセイヨウタンポポの割合が多いです。
今回のニホンタンポポの撮影ではマクロレンズを使って、タンポポの花を大きくマクロ撮影しました。
また、ニホンタンポポの綿毛を接写したマクロ撮影も行いました。
カメラボディは、EOS Kiss Digital N、使用したマクロレンズは、EF-S60mm F2.8マクロ USM、になります。
たまたまアリが花の上にいましたので、昆虫撮影がてらタンポポの花の撮影も行えました。
マクロレンズを使って撮影をすると、写真のように花にも昆虫にもギリギリまで近寄って、
マクロ撮影が出来ますので、花弁の一枚一枚の様子からアリの姿までを高精細に描写することが出来ます。
タンポポの花は、どちらかと言うと小さい花の部類になりますので、
タンポポの花の撮影ではマクロレンズを使って撮影をすることをお勧めします。
セイヨウタンポポとニホンタンポポの見分け方
ニホンタンポポ と セイヨウタンポポ の見分け方の参考写真を掲載いたします。
ニホンタンポポ と セイヨウタンポポ の違いを見分けるポイントとしては、
花弁の数、総苞片の反り返り具合、また、綿毛のボリューム感の三つを参考にすれば、見分けの判断が容易になります。
ニホンタンポポ と セイヨウタンポポ の違い
まず第一に、花弁の数で見分けることが出来ます。
セイヨウタンポポの花は、花弁の数が多く花にボリュームを感じられるのに対し、
ニホンタンポポの花は、花弁の数が少し少なく、花のボリューム感が少し寂しい点です。
そして日本タンポポと西洋タンポポの簡単な違いの大きな見分け方は、総苞片を見ればわかります。
ニホンタンポポと、セイヨウタンポポの違いは、この総苞片の反り返り具合を見比べれば一目瞭然です。
総苞片が大きく反り返るセイヨウタンポポに対して、ニホンタンポポの総苞片は、反り返っていないことが、見分け方の大きな特徴になります。
もし、道端に咲いているタンポポの花の総苞片が、反り返っていなければ、それはきっとニホンタンポポで間違いは無いでしょう。
最後に綿毛の数の違いも見分け方のポイントのひとつになります。
セイヨウタンポポの綿毛は、ボリューム感があって、付いている綿毛が密集して付いている様子が伺えます。
対してニホンタンポポの綿毛は、セイヨウタンポポに比べると綿毛の数が少なく感じられます。
以上のように、花弁の数と総苞片の反り具合、そして綿毛の数の三点が、
セイヨウタンポポとニホンタンポポとの違いを見分ける大きなポイントになります。
これらの特徴の違いを意識しながら、セイヨウタンポポとニホンタンポポとを探してみると、
普段とは違ったタンポポの楽しみ方が増えることだろうと思います。
マクロレンズでタンポポの写真撮影
タンポポの花をマクロ撮影
構図を意識したニホンタンポポの写真撮影
今回のタンポポの写真は、フルサイズ機のカメラボディ、EOS 6D Mark II に、
マクロレンズ、EF100mm f/2.8L Macro IS USM を装着してがっつり撮影を行いました。
写真のタンポポは、ニホンタンポポになります。
構図は、どちらも三分割構図を使って撮影しました。
三分割構図は、花の写真以外でも、料理の撮影でも鳥の撮影でも、
いろいろな被写体の撮影で頻繁に使われる構図のひとつになります。
三分割構図は、構図作りが簡単で、それでも写真が作品として成り立ちますのでお勧めの構図のひとつです。
また、EOS 6D Mark II ではグリッド表示機能が付いていますので、
三分割構図を用いた撮影では、しっかりとグリッド線と被写体とを合わせて撮影することが出来ます。
撮影時のカメラ設定は、F値は開放気味に設定しておりますので、背景が綺麗にボケています。
絞りを開放気味にすると、被写界深度は浅くなりますので、背景を綺麗にぼかすことによって、
メインの被写体を浮き立たせるように描写することが出来ますので、花の撮影では絞りは開放に近い数値がベストです。
マクロレンズの特徴としては、鮮明な解像力と、豊かなボケ味を活かした撮影を行うことが出来ますので、
花の撮影では中望遠域の単焦点マクロレンズで撮影を行うことが有利です。
タンポポの写真撮影のカメラ機材とカメラ用品
デジタル一眼レフカメラでたんぽぽを撮る
マクロレンズで蒲公英を撮る
たんぽぽの花や、綿毛のマクロの撮影に使用しているカメラボディは、キヤノンの EOS 6D Mark II がメイン機種になります。
そして携行しているレンズは、EF100mm F2.8L マクロ IS USM の通称Lレンズに属する単焦点マクロレンズになります。
また、タンポポの花が群生している様子などを、広角域よりの広い画角にて撮影する場合は、
EF40mm F2.8 STM 通称パンケーキレンズを使用しております。
その他に、機動性を考慮して携行性に優れたAPS-Cサイズ機の、
EOS Kiss Digital N に EF-S60mm F2.8マクロ USM の単焦点マクロレンズを装着して、
装備を軽量化し、行動範囲を広く、アクティブに野に咲く草花の撮影を行っております。
さて、単焦点レンズとは、ズーム機能が付いていないひとつの焦点距離のみのレンズのことを言います。
単焦点レンズの特徴としては、明るいレンズであることでも知られています。
明るいレンズでは、シャッタースピードを落とすことなく、綺麗なボケ味を表現したり、高品質な描写力を活かした撮影が楽しめます。