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キッチンガーデンの作り方 家庭菜園から始める緑の復興
キッチンガーデンを始めよう
Kitchen garden | Vegetable Garden | Potager | Jardin Potager
「キッチンガーデン」は、英語で家庭菜園のことを言います。
フランス語では「ポタジェ」「ジャルダン ポタジェ」とも呼ばれており、庭園作りと菜園作りとを同時に楽しむと言うコンセプトになります。
SDGsでは、持続可能な農業や、森を守る取り組みが注目されております。
家庭菜園では、個人でも野菜や果樹を植え付け、栽培から収穫にいたるまでを行えますので、安心安全な自給自足生活を体験できます。
植物を育てることは、規模が小さくともグリーンリカバリー(緑の復興)への意識を高めることにも繋がります。
このページでは、キッチンガーデンを始めることで、自分で育てる家庭菜園の楽しさと、持続可能なガーデン作りの楽しさとをお伝えできればと思います。
個人で取り組むグリーンリカバリーとしては小さな一歩ですが、みんなで取り組めば家庭菜園も立派な緑の復興へとつながると思います。
栽培種目のカテゴリー
果菜類
香辛野菜
果実的野菜
ハーブ・花
キッチンガーデン作りの第一歩
庭園作りと菜園作りと
Gardening
キッチンガーデンでは、観賞も収穫も出来る庭園・菜園作りがテーマとなります。
例えば、ミニトマトとチャイブを混植すれば、コンパニオンプランツとしても有効な栽培方法となります。
ミニトマトは草丈が高く育ちますので、草丈の低いチャイブとの相性も良く、ミニトマトもチャイブと共に収穫が楽しめることも大きなポイントです。
また、マリーゴールドをキュウリなどのコンパニオンプランツとして寄せ植えすれば、花の観賞も楽しめます。
このようにしてキッチンガーデンでは単一栽培ではなく混植をして、相性の良い植物を同時に育てることに魅力があります。
狭い空間でもスペースを最大限に利用して、上手に数種類の植物の同時栽培が楽しめればと思います。
キッチンガーデンの土作り
培養土の作り方
Garden Soil | Recycling Soil
野菜やハーブにはそれぞれの品種に適した培養土が好ましいですが、寄せ植えをする場合は平均的な培養土を用意することが肝心です。
キッチンガーデンの理想の土は、どちらかと言うと水はけが良い土が無難と言えます。
ローズマリーやバジルなどのハーブは、地中海沿岸地域に自生する品種が多いので、水はけのよい土を好みます。
ミニトマトやキュウリの栽培においても、水切れには注意が必要ですが、根腐れしないように水はけのよい土が適しています。
よってブレンドする用土はやはり、基本的なブレンドが好ましいと言えます。
キッチンガーデンで使う培養土の作り方
赤玉土6、腐葉土4、この6対4の配合は、培養土の基本用土では一般的です。
通気性、排水性、保水性、保肥性、それぞれに効果のある配合比率となります。
あとは、好みでパーライトを少し加えて排水性を更に高めることも有効です。
土のブレンドには園芸用のシートを敷いて、その上で土作りをすると作業が捗ります。
土も肥料もしっかり混ぜ合わせることができ、そのうえ後片付けも楽にできますのでおすすめです。
基本のブレンドが完了したら、あとは有機肥料か化成肥料を適量土に加えて土作りは完了です。
培養土は月日が経つにつれて、だんだん痩せてきますので、新たに培養土を作って土を補充するようにします。
痩せてしまった古い培養土は、園芸用の土ふるいを使って古い根や細かすぎる土を除けばリサイクルすることも出来ますので、
古い土を再生して有効に活用しながら、持続可能なキッチンガーデンを心掛けましょう。
キッチンガーデンのレイアウト
魅惑のガーデン作り
Kitchen garden | Layout
キッチンガーデンのレイアウトには色々な種類と方法がありますが、今回は自宅の庭にレイアウトをしていきます。
我が家のお庭は広いとは言えませんが、小さなお庭でも工夫してガーデニングを楽しむことがキッチンガーデンの魅力と言えます。
ますは区画する場所を決めて、その区画部分の土を掘り返して畑の土作りにを始めます。
初めに雑草を取り除き、シャベルを使って土を適度に掘り返し、園芸用の土ふるいを使って小石や古い根、細かすぎる土などを取り除きます。
次に培養土を適量追加して、小石や古い根を取り除いた土と混ぜ合わせます。
土作りはこのような手順で行っています。
そしてレンガを使っていよいよ庭のレイアウトをしていきます。
レンガブロックはホームセンターで色々な種類、形のレンガが販売されておりますのでお好みでご用意してください。
レンガを四角い形にレイアウトしたり、細長く長方形に配置したり、お好みで。
レンガブロックは縦に埋めたり、積み重ねて高さを出したりすることも出来ますが、予算もありますので初回は様子見も兼ねて簡単に配置することをおすすめします。
あとになって、気が変わることもありますので、まずは気楽に初めて徐々にガーデンを洗練して行けばよろしいかと思います。
レンガの周りには、手入れなどで通る道として砂利を敷くのも有効ですが、
砂利は土に混ざると後から除去するのが大変なので、砂利を敷く場合はよく検討してから行うことをお勧めします。
また、枕木やレイズドベッドなど木製の杭や仕切りは、年数が経つにつれて腐食し、白アリの被害にあうこともありますので、レイアウトは計画的に行いましょう。
レイアウトが完成したら、区画の周りに鉢植えやプランターで栽培している果樹やハーブを並べることもおすすめです。
レイアウト後にスペースが余る場合は、簡易的なベンチやテーブルもあるとお洒落ですね。
とりあえずレイアウトはこんな感じです。
あとは、キッチンガーデンを洗練させて行けば良いかと思います。
レイアウトが気に入れば、本格的にセメントを使ってレンガをもう一段高く積んでみたり、砂利を敷いてアプローチを作ってみたり、
お気に入りのオブジェクトを置いてみたり、「マイキッチンガーデン」と書き込んだ看板を立ててみたりと、遊び心も大切です。
レイズドベッドの作り方
レンガブロックを使った花壇(畑)作り
Kitchen garden | Raised Beds
我が家の庭にて春にレンガブロックを使い、キッチンガーデンの簡単なレイアウト(区画)を作ってから8ケ月ほど経過しました。
野菜を実際に栽培してみて、区画分けしたレイアウトには作業性などの問題が特になさそうなので、普通に土の上に置いて区画を分けていただけのレンガブロックをいよいよセメントを使って積んでいこうと思います。
目的は、夏野菜の栽培前に、区分けした畑をレイズドベッド化して発展させることです。
レイズドベッドは、簡単に説明すると高さのある花壇のことを言います。
地植えで栽培していた畑をレンガブロックを使って高さのある花壇にして、地面よりも高い位置で栽培が出来るようにしようと思います。
区画に高低差をつけることにより、「日当たりがより良くなる」「排水性(水はけ)がよくなる」「風通しが良くなる」などと言った点が改善できます。
そして我が家のキッチンガーデンも段々と洗練されて、見た目も良くなることによって観賞もより楽しめるかと思います。
あとは、区画(畑)が少し高くなることによって、より普段の手入れがしやすくなりますので作業性も良くなる点も大きいですね。
腰にかかる負担も少し軽減されるかと思います(笑)
レンガブロックを使ったレイズドベッドの作り方は、初心者でも簡単に作れました。
まずは置いておいたレンガブロックを一度どかして、その溝に砂利を適量敷いて、砂利の上にセメントを適量乗せて、水に浸しておいたレンガブロックを少し間を開けて並べていく。
一段目を並べた後は、その上にセメントをのせて同様にして二段目のレンガブロックを乗せていきます。
この時には一段目の隙間にもセメントを流し入れながら作業を進めていきます。
二段目は二段目の隙間も同時にセメントで埋めていきます。
積む作業が終わったら、はみ出た余分なセメントをブラシと流水で綺麗に取り除いて完成です。
あとはセメントがしっかり乾くまで数日待ってから園芸用土を足しましょう。
今回は、取りあえずレンガブロック二段のレイズドベッドを作ってみました。
用意した道具は「レンガブロック」「セメント」「砂利」「左官道具(コテとバケツとブラシ)」です。
必要最低限の道具だけを用意してローコストで作りました。
初心者が作るレイズドベッドにしては良い出来だと思います。
来シーズンはさらにもう数段高くレンガブロックを積むかどうか、とりあえず二段しかないレイズドベッドですが、実際に野菜の栽培を行い機能性を体感してみから考えてみようと思います。
キッチンガーデンの作例 区画2
イタリアンパセリ パセリ(パラマウント) 大根 カブ の混植
Kitchen garden | Gardening
キッチンガーデンをレンガブロックでレイアウトした様子です。
とりあえず区画は縦横、長方形で、面積は1平米(1㎡)の大きさになるように形作りました。
アメリカやフランスのキッチンガーデンやポタジェガーデンもレイアウトは1平米が基本で、
手を伸ばせば植物に届く範囲が理想と言われていますので、日々の手入れが簡単にできる大きさでレンガを敷きました。
まずはコンパニオンプランツとして忌避効果にも期待が出来るイタリアンパセリを一株、普通のパセリ(パラマウント)を数株、それぞれ片隅に植え付けました。
そして畝を数本作り、アブラナ科の大根とカブが少しづつ発芽している様子です。
しばらくは大根とカブの間引きをしながら手入れをしていきます。
マルチシートは、畑や菜園の見栄えが悪くなる気がするので行っていません。
本来はマルチシートを張って大根やレタスなどの植物が育ちやすい環境にしてあげることが理想ですが、キッチンガーデンやポタジェガーデンは「ガーデニング(菜園作り)」を楽しむことがコンセプトになり、
農業ではないので、マルチングはすこし方向性が違うかなと思います。
SDGsでは持続可能な農業も重要な項目とされておりますので、使用後にゴミになってしまうマルチシートの使用にはは少し抵抗があります。
それでも、マルチシートは野菜の栽培には有効で、確実な作物の収穫に期待が出来ますのでマルチングはお好みで宜しいかと思います。
マルチシートは使用後は適切に処理しましょう。
間引きをしながら栽培を継続中
ダイコンと小カブがだんだん大きく成長して来ました。
一番上にイタリアンパセリ一株、左右にパセリ(パラマウント)数株、上二列がミニ大根、下二列が小カブです。
徐々にダイコンと小カブを間引きながら株間を調整している段階です。
こちらの区画はあまり日当たりが良くないのですが、それなりに成長して収穫出来れば良いかなと思います。
アブラナ科の植物は害虫に弱いので、コンパニオンプランツとしてイタリアンパセリとパセリの害虫に対する忌避効果に期待していますが、効果はまあまあかと感じます。
特に防虫ネットはしていませんので、バッタの食害は少しありますが、それ以外の害虫に被害は今のところ無いかと思われます。
小カブの収穫時期
小カブがそろそろ収穫サイズに成長して来ましたのでさっそく収穫しました。
トンネル栽培や防虫ネットなどの防寒対策、害虫対策は行いませんでしたが、バッタやナメクジなどの食害にそれほど合わなかったので、コンパニオンプランツとしてのパセリの忌避効果が少しは効いたのではないかと思います。
小カブのサイズもそれなりの大きさで収穫が出来ました。
緩効性の肥料は、畑の土作りの時と土寄せの時に、それ以外は液体肥料を中心に追肥を行ってきましたので、液肥も効果的だと感じました。
小カブを収穫した後の空いたスペースには、時期的にキャベツの苗を植えたいところですが、同じアブラナ科の連作になってしまうのでキャベツは見送りました。
そこでリーフレタスの苗が少し余っているので時期が少し違いますが、植え付けてみようかと計画しています。
時季外れな苗の植え付けはあまり経験がないのですが、育ってくれれば苗が無駄にならずに済みますので期待したいです。
キッチンガーデンの作例 区画1
コマツナ・ホウレンソウ・パクチー・リーフレタスの混植
Kitchen garden | Gardening
もうひとつの区画では、コマツナとパクチー(コリアンダー)、そしてリーフレタスとホウレンソウを寄せ植えしています。
正確には、コマツナ、パクチー、ホウレンソウは直まき、リーフレタスは育苗の途中です。
それぞれ10月に秋まきで栽培を始めた野菜になります。
秋からでも家庭菜園で栽培を始められる野菜が多いことに、あらためて気が付きました。
こちらの区画の混植の目的としては、コンパニオンプランツとしてパクチーの害虫に対する忌避効果に期待して、
コマツナを害虫の食害から守るつもりでしたが、コマツナは想定していましたがアオムシ系の食害にあっています。
コマツナに関しては、やはり物理的に害虫を防ぐ防虫ネットなどの防虫対策が必須のように思われます。
ホウレンソウと育苗中のレタス、パクチーにはほぼ食害が無いので、やはりコマツナは害虫の被害にあいやすいですね。
秋まきではコマツナの栽培に少し苦労していますが、春まきでは、もっと積極的にコマツナとパクチーなどの忌避効果のある植物の株をもっと近づけるようにして栽培し、あらためてコンパニオンプランツの効果を観察してみようと思います。
またはセリ科のパクチー以外に、キク科の植物とコマツナの混植も試してみる必要があるかなと思います。
トンネル栽培が虫除けには一番ですが、作業に少し手間がかかる点とキッチンガーデンの見栄えが悪くなる点が気になるところです。
春まきでは、トンネル栽培にするか、新たにコンパニオンプランツの方法を変えて試してみるかを検討しています。
キッチンガーデンで育てるお野菜やハーブ
家庭菜園で野菜とハーブの栽培
Kitchen garden | Herb Garden
キッチンガーデンでは、野菜では「ミニトマト」「キュウリ」「ナス」「ピーマン」などの夏野菜は定番です。
また、ベビーリーフやサニーレタスなどの葉物野菜、赤玉ねぎなども面白いですよ。
ハーブでは、「チャイブ」「バジル」「ローズマリー」「ミント」「カモミール」「パセリ」などが育てやすくて人気があります。
花は、断然マリーゴールドやラベンダーが観賞にも適しておりますのでおすすめです。
ミニトマトやキュウリは草丈が高くなりますので、区画の中央か背景として後ろ側に植え付けるのが基本です。
次にチャイブなどのコンパニオンプランツを、株元より少し離して植え付けます。
そして空いているスペースには、パセリやタイムなどの草丈の低いハーブやマリーゴールドがおすすめです。
ローズマリーやセージなどの常緑低木は、草丈の高低差を利用してポタジェの組み合わせには向いていますが、
ローズマリーやセージは、乾燥気味に育てる必要がありますので、キュウリとの混植は栽培の難易度が高くなります。
基本は、草丈の高い品種から低い品種へと意識して植え付けたり、種を蒔くと、管理やしやすくて観賞も出来るキッチンガーデンに仕上がります。
プランターなどに混植する場合も、それぞれの植物の大きさを意識したレイアウトにすると、植物が成長しても美観を損なうことなく栽培を継続することが出来ます。
混植(寄せ植え)する場合のポイントは、それぞれの品種の特徴をよく理解したうえで植え付けることが大切です。
例えば、違う科の植物を植える、育ち方の特徴(根の貼り方や草丈)を把握しておく、などがあります。
コンパニオンプランツの例
相性の良い植物の組み合わせ
Companion Planting
チャイブには虫よけ効果ありますので、ミニトマトやキュウリの傍に植え付けるとコンパニオンプランツとしてとても有効です。
キッチンガーデンやポタジェでは、混植(寄せ植え)をして上手に複数の植物栽培を楽しもうと言うコンセプトもありますので、
チャイブの混植は幅広い植物との相性が良いのでおすすめです。
チャイブは、栽培がとても簡単なハーブになりますので、キッチンガーデンでは取り入れるべき植物のひとつと言えます。
チャイブはセイヨウアサツキとも呼ばれ、ネギとして料理に加えることも出来ますので、コンパニオンプランツとしても、
収穫が目的でもいろいろと重宝する植物といえます。
キッチンガーデンに植え付ける花はマリーゴールドが定番です。
マリーゴールドは花の観賞はもちろん害虫を寄せ付けない効果もありますので、空いたスペースにはマリーゴールドがおすすめです。
コンパニオンプランツには色々な組み合わせがありますが、相性の良い植物があれば、逆に相性の悪い植物もありますので、
寄せ植えをする際には、相性を確認しておくことも大切です。
コンパニオンプランツに関しての注意点
コンパニオンプランツについて
Companion Planting
・コンパニオンプランツは、植物の相性や特徴を利用した栽培方法になりますが、必ず防虫効果や病気の予防効果が得られるとは限りません。
・一般的に相性が良いとされる寄せ植えの組み合わせが、必ずしも正しいとは言えない場合もありますのでご注意下さい。
・それぞれの植物の生育状況などにより、コンパニオンプランツとしての効果が十分に得られない場合もあります。
・コンパニオンプランツを目的とした混植は、あくまで植物栽培の補助的なものとして行うことが望ましいです。
・また、記載したコンパニオンプランツとしての組み合わせが、悪い効果、悪い結果を生み出してしまう可能性もありますので、混植は自己責任でお願いします。
これらの点に留意しながら、キッチンガーデン作りを楽しみしましょう。